■科名:ミカン科
■抽出部位:葉
■抽出方法:水蒸気蒸留法
■特性成分
リナリル・アセテート(エステル類)40~55%
リナロール(モノテルペン・アルコール類)20~30%
ゲラニオール(モノテルペン・アルコール類)1~3%
ネロール(モノテルペン・アルコール類)0.5~2% など
■特徴
オレンジの木からは、「花」「葉」「果皮」からそれぞれ成分の異なる3種類の精油が抽出されます。花から抽出されるネロリは何物にも代え難いとても芳しい高価な精油ですが、アロマテラピーという観点から言えば、プチグレンはネロリに勝るとも劣らない精油です。ミカン畑のような香りがします。
プチグレンの抽出部位は「葉」と表示されることが多いのですが、厳密に言うと、香しい花が咲き終わり、小さい緑色の実が付き始めた、若い小枝を水蒸気蒸留します。"プチグレン” とは「小さい実」という意味です。
長い間、高貴な香りを有する花だけが、ネロリとして香水の原料にもてはやされてきましたが、18世紀、ある医師によってプチグレンの優れた鎮痙作用が発見されると、プチグレンの精油も認知されるようになりました。
美容のためのマッサージオイルやローションを作るとき、ネロリかプチグレンのどちらか一つしか選べないとしたら、プチグレンのほうを選ぶでしょう。エステル類とモノテルペン・アルコール類とがバランスよく含まれているので、リラックス作用にも優れ、また、皮膚のコンディションをよくする作用にも優れているからです。ストレスケアや美容のための代表的な精油です。
特に、女性のストレスに起因するさまざまなトラブルには欠かせません。優れた鎮痙作用があり、過度の心身の興奮や緊張に苦しむ人々に有効です。精神心理面に最も働きかける精油の一つで、過呼吸、パニック、心臓神経症等のさまざまな不調を改善するのに役立ちます。この精油の主な働きは心身の機能を調律することです。
子供の睡眠障害には真正ラベンダー(真正ラベンダーはストレスケアにおいて誰にでも使える精油ですが、敢えて言えばという意味です)、主に仕事上の強いストレスの影響で、夜中にくよくよと悩む不眠症(フランスでは銀行家の不眠とも言います)にバジルが効果的であるならば、プチグレンは、精神のバランスがうまく取れない大人に適しています。
例えば、そううつ傾向があったり、気分が絶え間なく変わりやすくて人生を謳歌することのできない人、また、日常生活のさまざまな場面で、柔軟に適応できない人に生じる身体症状、息苦しさ、緊張しすぎてしまう状態、ストレスによって肩が凝るという場合に有効だと言われています。
プチグレンには毒性がないこと、アルコール類が含まれているにもかかわらず、刺激性がないというメリットがあります。また、エステル類、特にリナリル・アセテートが含まれているのでバランスの良い精油です。
■主な作用
・過度の興奮や緊張を鎮めます。
・心因性の動悸や頻脈、けいれんを鎮めます。
・皮膚に対して穏やかな抗感染作用があります。
・皮膚細胞の再生を促し、傷の治りを早めます。
・体液の循環を促します。
■備考
花から抽出されるネロリCitrus aurantium SD/DO flowersに含まれる主な成分:
リナロール(モノテルペンアルコール類)30-40%
ゲラニオール(モノテルペンアルコール類)10-15%
リモネン(モノテルペン類)10-20%
β-ピネン(モノテルペン類)8-16%
リナリル・アセテート(エステル類)10-12%
ネロリドール(セスキテルペンアルコール類)1-5%
※プチグレンと比べるとアルコール類が多く含まれます。
プチグレンのセルフケアはこちらです。