バレリアンValeriana officinalis(和名:セイヨウカノコソウ)は睡眠効果のあることが示唆され、薬用でも使用されているハーブです。このエッセンシャルオイルの香りをラットに吸入させると、睡眠時間が41%延長されたことがわかっています。[1]
また、認知症の患者さんの睡眠障害がバレリアンのマッサージオイルによって改善されたとする研究もあります。
その研究によると、睡眠障害のある介護施設在住の認知症患者13名(平均年齢84歳)にバレリアンをブレンドしたオイルを使ってマッサージを2週間行った結果、夜間の覚醒頻度が減少したとのこと。血液検査の結果から、セロトニンの値が上昇した一方でコルチゾールの値が低下したことが認められた。バレリアンの成分はセロトニンの値を上昇させ、コルチゾールの値を低下させる作用があり、そのことが睡眠の質を改善したと考えられるとしています。[2]
バレリアンのエッセンシャルオイルは香りが刺激的なので、他のエッセンシャルオイルとブレンドすると使いやすくなります。
Reference:
[1]Komori, T., Matsumoto, T., Motomura, E., & Motomura, E. (2006) The Sleep-Enhancing Effect of Valerian Inhalation and Sleep-Shortening Effect of Lemon Inhalation. Chem. Senses., 31:731-737.
[2]Lee, K-B., Latif, S., & Kang, Y-S. (2023). Differences in Neurotransmitters Level as Biomarker on Sleep Effects in Dementia Patients with Insomnia after Essential Oils Treatment. Biomol Ther., 31(3), 298-305.