タイムの花を料理に

一雨ごとに初夏に向かって気温が上がるこの頃です。庭のタイムの花もまもなく満開を迎えます。

タイムは、花が咲く前は香りがよりハーブらしく、ピリッとした強い香りが特徴です。これは、植物が成長のエネルギーを葉に集中させているためで、葉の中の芳香成分が濃縮されています。

一方で、花が咲いている時期には、タイムは花にも芳香成分を分配しています。このため、花を含む全体の香りはややマイルドで、花由来の甘いフローラルな香りが加わることがあります。

ですから、花が咲く前のタイムは香りが強いため、香りを主役にした料理に向いており、花が咲いているタイムは繊細な風味を楽しむ料理に適しています。

🌿花が咲く前のタイムを使った料理の例
[ローストチキン]
鶏肉の皮の下にタイムの葉をたっぷりと挟み込みます。塩、胡椒、オリーブオイルと共にマリネしてからオーブンで焼くと、タイムの強い香りが鶏肉に深く染み込みます。

[ガーリックタイム・ブレッド]
タイムの葉を細かく刻み、バターに混ぜてニンニクと共にパンに塗ります。これをオーブンで焼くと、香ばしいタイムとニンニクの香りが広がります。

🌿花が咲いているタイムを使った料理の例
[サラダ]
花が咲いているタイムの花をそのままサラダにトッピングします。ビジュアルのアクセントとしてだけでなく、繊細な香りがサラダに新しい風味を与えます。

[ハーブティー]
花が咲いているタイムに熱湯を注いでハーブティーとして楽しむことができます。タイムの花からは穏やかな香りと味わいが楽しめます。紅茶とブレンドするのもおすすめです。葉の強い香りが苦手なら、花の部分を多くするとよいでしょう。

[ドリンクやカクテル]
レモネードやモヒートに浮かべれば、旬のさわやかな香りと美しいビジュアルも楽しめます。

ちなみにエッセンシャルオイルも花が咲く時期にタイムを収穫して蒸留します。芳香成分が最高潮に達している時期に収穫することが重要で、晴れた日の早朝が最適とされています。まもなく南仏プロヴァンスでも収穫の時期を迎えます。