アロマテラピーで和らげる月経痛:臨床研究が示す効果

 

月経痛は多くの女性の悩みであり、鎮痛薬やホルモン剤などによる治療が行われています。しかし、副作用もあるため、治療に抵抗感のある人も少なくありません。そうした背景から安全な治療法としてアロマテラピーが注目されています。

 

月経痛のある18~45歳を対象とした臨床試験(13試験15データをメタ解析。1677人)を評価した論文があるので、簡単に紹介します。

 

結果としては、エッセンシャルオイルを使用したマッサージが特に効果的で、月経痛の軽減に有意な効果を持つことがわかりました。

 

使用されたエッセンシャルオイルの種類は多岐にわたりますが、この臨床試験ではラベンダー、ローズ、ゼラニウムなどが痛みの緩和に優れていることがわかりました。

 

月経痛というと、クラリセージもよく用いられますが、この臨床試験ではブレンドの一部として用いられていました。クラリセージは、筋肉のけいれんを緩和し、子宮の収縮痛を和らげる効果や鎮静作用も期待できる酢酸リナリル(エステル類)を多く含みます。効果研究の実証的データの蓄積が待たれます。

 

アロマテラピーマッサージは、エッセンシャルオイルの香りが嗅覚を通じて脳に届き、リラックス効果や鎮痛効果を発揮します。

 

香りによるリラクゼーション

エッセンシャルオイルを使用したマッサージでは、香りが脳を刺激する嗅覚効果と、精油成分の経皮吸収による身体的効果が相乗的に働きます。この組み合わせによりリラクゼーションが促進され、エンドルフィンなどの内因性物質が分泌されて痛みや不安の緩和につながります。

経皮吸収による作用

マッサージを通じて精油の成分が皮膚から吸収され、血流促進や筋肉の緩和、抗炎症作用が期待できます。

 

マッサージの物理的効果

血流が改善され、筋肉がほぐれることで、体全体がリラックスし痛みが和らぎます。

 

月経痛を自然な方法でケアしたいと考える方にとってアロマテラピーは魅力的な選択肢となるでしょう。心地よい香りに包まれながら、自分自身をいたわる時間を持つことができます。

 

Reference:

Najafi, M. N., Najafi, N. N., Fakari, F. R., Moeindarbary, S., Abdi, F., Hoseini, Z. S., & Ghazanfarpour, M. (2021). The effect of aromatherapy alone or in combination with massage on dysmenorrhea: A systematic review and meta-analysis. Revista Brasileira de Ginecologia e Obstetrícia, 43(12), 968–979.