蒸留される植物が全草の場合、開花時か、それとも種子が付いている時期かなど、採取時の生育段階 stage of development (SD) によってエッセンシャルオイルの成分は異なります。
ディルAnethum graveolens の場合、抽出部位が 「種子付き地上部 」 であればカルボンの含有率が高くなり、肝臓に負担をかけることになりますが、「花と実を付けた時期の地上部」 は、フェランドレンやリモネンが豊富に含まれるため、肝臓に悪いどころか逆に肝臓の働きを良くする作用を持ちます。
また、同じ植物でも、葉、花、果皮など、蒸留あるいは圧搾された部位distilled organ (DO) or expressed organ(EXO) によっても成分は異なります。
例えば、ダイダイの木 Citrus aurantiumの場合、「葉」 「花」 「果皮」 からそれぞれ成分の異なったエッセンシャルオイル (正確には葉と花からエッセンシャルオイル、果皮からエッセンス )が抽出されます。
●Citrus aurantium DO leaves
慣用名:プチグレン(ビターオレンジ・リーブス)
抽出部位:葉(水蒸気蒸留法)
特性成分:酢酸リナリル、リナロール、ゲラニオールなど
●Citrus aurantium DO flowers
慣用名:ネロリ
抽出部位:花(水蒸気蒸留法)
特性成分:リナロール、リモネン、β-ピネン、ネロリドールなど
●Citrus aurantium DO peel
慣用名:ビターオレンジ・ピール
抽出部位:果皮(圧搾法)
特性成分:リモネン、β-ミルセンなど