アロマテラピーの基本ルール

7歳以下の子供、妊娠中・授乳中の方、基礎疾患のある方、病気療養中の方、特異体質の方、てんかんやけいれんの既往歴のある方は、必ず主治医にご相談の上、アロマテラピーを行ってください。不安がある場合は行わないでください。また、アロマテラピー専用の品質基準を満たし、品質が確かで劣化していないエッセンシャルオイルを使用してください。

 

1. フェノール類は皮膚塗布と芳香浴、吸入には使用しない

フェノール類(チモール、カルバクロールなど)が多く含まれるエッセンシャルオイルは、皮膚塗布と芳香浴、吸入には使用しないでください。

また、シンナム・アルデヒド(アルデヒド類ですがフェノール類と同様の性質があります)も、皮膚塗布と吸入には適していません。皮膚や粘膜に対して強い刺激と苛性(ただれなどを起こす)があるからです。そして、セルフケアでは原則として、これらのエッセンシャルオイルを子供には使用しないでください。

 

例)

タイム・チモール Thymus vulgaris BS thymol または carvacrol

( チモールやカルバクロールを多く含むタイム)

オレガノ Origanum compactum (カルバクロールを多く含む)

シナモン Cinnamomum verum (zeylanicum) (シンナム・アルデヒドを多く含む)

※他のエッセンシャルオイルとブレンドして少量使用することもあります。

 

2. ケトン類は芳香浴と飲用には使用しない
Salvia officinalis
Salvia officinalis

ケトン類(カンファー、ツヨン、ピノカンフォンなど)が多く含まれるエッセンシャルオイルは、芳香浴には使用しないでください。神経に対して毒性があり、長時間香りを嗅いだりすると気分が悪く

なることがあります。また、飲用しないでください。

 

例)

ローズマリー・カンファーRosmarinus officinalis BS camphor

(カンファーを多く含むローズマリー)

セージ Salvia officinalis( ツヨンを多く含む)

ヒソップ Hyssopus officinalis(ピノカンフォンを多く含む)

 

※カンファー(樟脳)を多く含むタイプのローズマリーは、セルフケアに使うことはできません。一方、1,8-シネオールを多く含むローズマリー・シネオールは、セルフケアに安全に使えるエッセンシャルオイルです。

※セージにはツヨンが多く含まれるため、セルフケアに使うことはできません。一方、クラリセージ

Salvia sclareaには、ケトン類が含まれていないため、セルフケアに安全に使うことのできるエッセンシャルオイルです。

 


3. 皮膚刺激に注意

柑橘類の果皮から抽出されたモノテルペン類(リモネンなど)が多く含まれるレモンCitrus × limonやスイートオレンジCitrus × sinensisなどのエッセンシャルオイルは皮膚を刺激するので、原則として皮膚塗布には使用しないでください。

モノテルペン類が多く含まれるシベリアモミAbies sibiricaやシトラール(アルデヒド類)が多く含まれているレモングラス Cymbopogon citratusは皮膚を刺激します。必ず植物油で希釈し、低濃度で使用します。

 

4. 光毒性に注意
Citrus × bergamia
Citrus × bergamia

ベルガプテン(5-methoxypsoralen)など、光毒性(直射日光に当たるとシミの原因になる)のあ

るフロクマリン類が含まれるエッセンシャルオイルは、皮膚塗布には使用しないでください。

 

例)

ベルガモット Citrus × bergamia

レモン Citrus × limon

 


5. 使用前にはパッチテストをすること

エッセンシャルオイルを皮膚に塗布する場合は、化粧品同様にパッチテストを行ってください。お肌に合わない場合は、水ではなく、植物油(食用油も可)をたっぷり塗り、拭き取ってください。その後、異常がある場合は、医師の診察を受けてください。

 

6. エッセンシャルオイルを目や粘膜に塗らない

エッセンシャルオイルを目や粘膜に塗布しないでください。万一、付着してしまった場合は、水ではなく、植物油(食用油も可)で洗い流すか、ティッシュやガーゼに植物油をたっぷり付けて拭ってください。その後、異常がある場合は、医師の診察を受けてください。

 

7. 水に混ぜて使用しない

エッセンシャルオイルと水は混ざりません。つまり、水で薄めることはできません。希釈には植物油など親油性のある基材を用います。

ラベンダーなどエステル類を含むエッセンシャルオイルは水に触れると劣化します。

 

8. 使用後は冷暗所で保管する

エッセンシャルオイルの使用後は、キャップを閉め、子供や認知症の方の手の届かない冷暗所(常温)で保管してください。また、ドロッパーに皮脂が付かないよう、直接手で触れないように使用してください。

 

9. 火気厳禁

エッセンシャルオイルには引火性があります。火気の近くで使用しないでください。また、タバコを吸いながらエッセンシャルオイルを使用しないでください。

エッセンシャルオイルが付着している洗濯物を乾燥機にかけると、火災の原因となることがあります。ご注意ください。

 

10. 専門家に相談することも必要

7歳以下の子供、妊娠中・授乳中の方、基礎疾患のある方、病気療養中の方、特異体質の方、てんかんやけいれんの既往歴のある方は、必ず主治医にご相談の上、行ってください。

 

caution

使用するエッセンシャルオイル、植物油は、アロマテラピー用に製造された品質の確かなものを対象としています。また、その効果効能については個人差もあり、一切の責任を負いかねますことを予めご承知おきください。セルフケアにエッセンシャルオイルをご使用になられる場合は、お使いになる方の責任と管理の下に行ってください。