科名:シソ科
抽出部位:花が咲いている地上部
特性成分:1,8-シネオール、カンファー*、α-ピネンなど
*カンファーの含有率を知ることでカンファーが少なく、1,8-シネオールが多い安全なタイプのローズマリーであることがわかります。
ローズマリーはケモタイプを有するエッセンシャルオイルで、生育環境によって成分が異なります。学名だけでは分類できないため、エッセンシャルオイルに含まれる特徴的な成分を学名の下位に表示し、慣用名「ローズマリー」の後に成分名を付けて呼ばれています。
1,8-シネオール(別名:ユーカリプトール)を多く含むこのタイプは、ローズマリーの中でも一番用 途が広く使いやすいエッセンシャルオイルです。頭をすっきりさせる爽やかな香りは、芳香浴にも 最適です。 また、他のエッセンシャルオイルともブレンドしやすいのが特徴です。特に呼吸器系のトラブルに は欠かせません。
*免疫を暴走させることなく炎症を鎮める作用。
飲用 | 皮膚塗布 | 芳香浴 | |
大人 | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
子供 | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
★★★ | =最適です |
★★ | =適しています |
★ | =可能ですがすすめられません |
× |
=適していません |
〈鼻炎〉 飲用は大人のみ
ローズマリー・シネオール、スパイクラベンダー、ユーカリラジアタを2:1:2の割合にブレンドし、お湯を入れたマグカップに3~4滴垂らして、吸入を行います。
併せて、ローズマリー・シネオール1滴+ラヴィンサラ1滴を、ティースプーン1杯の蜂蜜または角砂糖に垂らして、1日2~3回飲むとより効果的です。
〈風邪や花粉症による呼吸器系の不快感〉
ユーカリラジアタ50滴+ペパーミント5滴+レモン30滴+ローズマリー・シネオール20滴をブレンドします。ディフューザー(芳香拡散器)に入れ、芳香浴を行います。
または、ユーカリラジアタ2滴+ローズマリー・シネオール2滴を、お湯を入れたマグカップに垂らして吸入を行います。
併せて、ユーカリラジアタ2滴+ラヴィンサラ1滴+ローズマリー・シネオール1滴を、胸と背中に塗ります(肌の弱い方や子供は、植物油を加えてください)。
〈首・肩の凝り、筋肉疲労〉
ラバンジン(またはラベンダー)4滴+ラヴィンサラ10滴+ローズマリー・シネオール4滴を、ヘーゼルナッツ油15mlに加えます。凝りや張りのある箇所に擦り込みます。
1,8-シネオールが多く含まれるタイプのローズマリー・シネオールは、子供にも使用することができ、他のエッセンシャルオイルともブレンドしやすい、利用価値の高いエッセンシャルオイルです。
香りがよいので芳香浴にも向き、特にユーカリラジアタ、ラヴィンサラとブレンドすると、優れた相乗効果が得られます。
2017年にローズマリーの学名がRosmarinus officinalisからSalvia rosmarinusになりました。Rosmarinus officinalisは、1753年に植物学者リンネによって命名されました。当時は、植物を花や葉の形態や構造で分類していましたが、科学の進歩により、1998年にDNA解析による分子系統学に基づいたAPG分類体系が確立されました。
そして、2017年に発表された研究によって、ローズマリーは、マンネンロウ(Rosmarinus)属ではなく、セージSalvia officinalisやクラリセージSalvia sclareaと同じアキギリ(Salvia)属に再分類されました*。
従来のRosmarinus officinalisはシノニム(異名)として認められているので、今日でも使い続けられています。
Reference:
*Drew, B. T., González-Gallegos, J. G., Xiang, C.-L., Kriebel, R., Drummond, C. P., Walker, J. B., &Sytsma, K. J. (2017). Salvia united: the greatest good for the greatest number. Taxon, 66 (1), 133-145.